バスケをすれば身長が伸びる?それは本当?嘘?

バスケをすれば身長が伸びる?それは本当?嘘?

バスケットボールと聞くと、どんなイメージが浮かびますか? 軽快なドリブル、豪快なダンクシュート、そして何より、背の高い選手たちの姿。NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンやレブロン・ジェームズ、日本のBリーグで活躍する選手たちを見ても、身長が高い人が多いと感じますよね。このイメージが、「バスケをすれば背が伸びる」という噂の大きな原動力になっているようです。

 

昔からバスケは背が伸びると言われていますよね。

 

特に成長期の子供を持つ親御さんにとって、子どもの身長は気になるテーマです。「背が高くなれば、スポーツでも勉強でも自信が持てるかも」と願う気持ちは、誰もが共感できるのではないでしょうか。バスケを習い事として選ぶとき、どこかで「身長が伸びるかもしれない」という期待が頭をよぎるのも自然なことかもしれません。

 

では、この噂はどこから来たのでしょう? そして、どれくらい本当なのでしょうか? まずはその起源を紐解いてみましょう。

 

なぜバスケは「背が伸びる」と言われるのか?

 

バスケットボールは、ジャンプやランニング、素早い方向転換など、全身を使うスポーツです。特にジャンプの動作は、骨に縦の刺激を与えると言われています。この刺激が、成長期の骨の成長を促すのではないかと考えられてきました。実際に、バスケを始めた子どもが「なんだか背が伸びた気がする!」と喜ぶ声は、SNSや身近な会話でもよく耳にします。

 

例えば、Xの投稿を覗いてみると、「中学生の息子がバスケ部に入ってから5cmも伸びた!」という親御さんの声や、「バスケやってる友達はみんな背が高い!」というコメントが見られます。これらの体験談が、噂をさらに広める一因になっているのでしょう。

 

しかし、こうした声はあくまで個人の経験。科学的に見ると、話はもう少し複雑です。バスケの動きが骨に良い影響を与える可能性はありますが、それが直接「身長を伸ばす」ことにつながるかどうかは、別の問題なのです。

バスケ選手は本当に背が高いのか?

バスケ選手の身長が高いのは、誰もが認めるところです。NBA選手の平均身長は約198cm(6フィート6インチ)、日本のBリーグでも190cmを超える選手が珍しくありません。2023年のデータによると、NBAのトップ選手の中には、2mを超えるセンターやフォワードが数多く名を連ねています。例えば、ビクター・ウェンバンヤマ選手は224cmという驚異的な身長で、コートを支配しています。

 

このような選手たちの姿を見ると、「バスケをすれば背が伸びる」と信じたくなりますよね。でも、ここには「選抜バイアス」という仕組みが働いている可能性があるのです。

 

バスケットボールは、高いゴールに向かってボールを投げ入れる競技です。背が高い選手は、リバウンドやシュートブロックで有利になりやすく、プロの世界では特にその傾向が顕著です。つまり、背が高い人がバスケで成功しやすいため、トップ選手には長身の人が集まりやすいのです。これは、バスケが身長を伸ばしたというより、「背が高い人がバスケを選び、活躍している」という結果にすぎません。

 

鶏が先が、卵が先か的な議論になってしまいます。

 

科学的に検証:バスケは身長を伸ばすのか?

 

「バスケで背が伸びる」という噂を本気で信じたい気持ち、よくわかります。子どもの可能性を少しでも広げたいと思う親心や、自分に自信を持ちたいと願う気持ちは、誰しもが持つものです。でも、ここでは冷静に、科学の目線でこの噂を検証してみましょう。バスケは本当に身長を伸ばす魔法のスポーツなのでしょうか?

 

身長がどのように決まるのか、バスケの動きがどんな影響を与えるのか、最新の研究を交えながら探っていきます。少し専門的な話になりますが、わかりやすくお伝えしますので、ぜひ一緒に紐解いてみてください。

身長が決まる仕組みとは?

まず、身長がどのように決まるのかを理解することが大切です。身長の伸びは、主に遺伝と環境要因によって決まります。研究によると、遺伝の影響は60~80%と非常に大きいです。つまり、両親の身長が子どもの身長に大きな影響を与えるのです。

 

しかし、残りの20~40%は、栄養、睡眠、運動、ホルモンなどの環境要因が関わります。特に、成長期(10~18歳頃)に訪れる「成長スパート」は、身長が急激に伸びる時期。この時期に、骨の端にある「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨部分が活発に働き、骨が長くなっていきます。

 

骨端線は、思春期の終わり頃に閉じてしまい、そこで身長の伸びが止まります。つまり、バスケが身長に影響を与えるとしたら、この骨端線が開いている成長期に、何らかの刺激を与える必要があるのです。

バスケの運動が骨に与える影響


バスケットボールの特徴は、ジャンプやランニングといった全身運動にあります。これらの動きは、骨に適度な負荷をかけることで、骨の成長をサポートする可能性が指摘されています。例えば、ジャンプを繰り返すことで、骨に縦の刺激が加わり、骨端線の軟骨細胞が活性化するかもしれない、というのです。

 

実際に、運動生理学の研究では、適度な負荷をかける運動が骨密度を高め、骨の成長を促すことがわかっています。バスケは、ジャンプだけでなく、素早い動きや方向転換、仲間との連携など、多様な動作を含むため、全身の筋肉と骨にバランスよく刺激を与えるスポーツと言えるでしょう。

 

やはりバスケは伸びる可能性はあるということですね。

 

ただし、ここで注意が必要です。過度な負荷や無理なトレーニングは、逆に骨端線を圧迫し、成長を妨げるリスクがあります。特に、成長期の子どもが過剰なウエイトトレーニングや長時間の練習を行うと、骨や関節に負担がかかり、身長の伸びを阻害する可能性も指摘されているのです。

最近の研究が示すこと

では、バスケが身長を伸ばすという説を裏付ける研究はあるのでしょうか? 2020年代の研究では、運動が成長ホルモン(GH)の分泌を促進し、骨の成長に間接的に寄与する可能性が示唆されています。成長ホルモンは、骨や筋肉の成長を促す重要なホルモンで、運動後にその分泌量が増えることがわかっています。

 

例えば、2021年の小規模な研究では、ジャンプを伴う運動を行った子どもたちが、運動しないグループに比べて成長ホルモンの分泌がわずかに多い傾向が見られた、という報告があります。しかし、この研究はバスケに特化したものではなく、運動全般の効果を調べたものです。

 

さらに、バスケが身長を直接的に伸ばすことを証明する大規模な研究は、現在のところほとんど存在しません。専門家の間では、「バスケが身長を伸ばすというより、適度な運動として成長をサポートする一つの手段」と考えるのが妥当だと言われています。

 

バスケでなくても、適度な運動が大事ということですね。

 

 

身長を伸ばすための鍵はバスケ以外にもある

バスケットボールが身長を直接伸ばす証拠は限定的だとすると、ちょっと肩を落とした人もいるかもしれません。でも、落ち込むのはまだ早いです! 身長の伸びには、バスケ以外の要素が大きく関わっているのです。遺伝の壁は越えられなくても、栄養や睡眠、生活習慣を整えることで、子どもの成長ポテンシャルを最大限に引き出すことはできます。

 

親として、子どもにどんなサポートができるのか。あるいは、成長期の自分自身のために何ができるのか。科学的な知見を基に、具体的なポイントを一緒に見ていきましょう。バスケを楽しみながら、健やかな成長を目指すヒントがここにありますよ。

栄養:骨を育てる食事のポイント


身長を伸ばすために、まず欠かせないのが栄養です。骨の成長には、カルシウム、ビタミンD、タンパク質、亜鉛といった栄養素が欠かせません。成長期の子どもは、まるで小さな建設現場のように、骨や筋肉をどんどん作っているのです。その材料が不足すると、せっかくの遺伝のポテンシャルも発揮できません。

 

例えば、カルシウムは骨の主成分。牛乳やヨーグルト、小魚、緑黄色野菜に多く含まれます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるパートナーで、鮭やサバ、きのこ類に豊富です。タンパク質は、骨だけでなく筋肉や臓器の成長にも必要。鶏肉、卵、豆腐などをバランスよく取り入れるのがおすすめです。

 

具体的な食事のアイデアとしては、朝食にヨーグルトとバナナ、昼食に鮭の焼き魚と野菜の味噌汁、夕食に鶏胸肉のグリルとブロッコリー、なんてメニューはいかがでしょうか。偏食やファストフードばかりの食事を避け、色とりどりの食材を意識することが、成長の第一歩です。

 

ただ、栄養を詰め込みすぎるのも逆効果。「これ食べて背を伸ばしなさい!」とプレッシャーをかけると、子どもが食事を楽しめなくなってしまうかもしれません。家族で楽しく食卓を囲むことが、栄養と同じくらい大切だと私は思います。

睡眠:成長ホルモンを最大限に活かす


「寝る子は育つ」という言葉、聞いたことありますよね? これは、科学的に本当のこと。身長の伸びを支える成長ホルモン(GH)は、睡眠中に最も多く分泌されるのです。特に、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間帯に分泌がピークを迎えるため、質の良い睡眠が欠かせません。

 

研究によると、22時から2時の間に深い睡眠を取ることが、成長ホルモンの分泌を最大化する鍵だと言われています。成長期の子どもには、8~10時間の睡眠が理想。たとえば、朝6時に起きるなら、夜10時までにはベッドに入るのがベストです。

 

でも、現代の子どもたちは忙しいですよね。塾や部活、スマホやゲームの誘惑で、つい夜更かししてしまうことも。そんなときは、睡眠環境を整える工夫を。寝室を暗く静かに保ち、寝る1時間前にはスマホやテレビのスクリーンタイムをオフにすると、深い睡眠に入りやすくなります。

 

私が子どもの頃、母が「早く寝なさい!」と毎晩言っていたのを思い出します。そのときは「うるさいな」と思っていましたが、今となっては感謝しかありません。睡眠は、身長だけでなく、心と体の健康を支える魔法の時間。子どもたちに、その大切さを教えてあげたいですね。

生活習慣とストレスの管理

 

栄養や睡眠以外にも、身長に影響する要素があります。それが、生活習慣とストレスです。過度なストレスや不規則な生活は、成長ホルモンの分泌を抑え、身長の伸びを妨げる可能性があるのです。

 

例えば、受験勉強や人間関係の悩みでストレスが溜まると、体内でストレスホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されます。これが成長ホルモンの働きを邪魔してしまうのです。また、喫煙や過労も成長に悪影響。成長期の子どもには、できるだけリラックスできる環境を整えてあげたいものです。

 

受験勉強ストレスはこの時期にやってきますし難しいですね。

 

一方で、ストレッチやヨガといった柔軟性を高める運動が、身長の伸びを助けるという説もあります。血流が良くなり、骨や筋肉がリラックスすることで、間接的に成長をサポートする可能性はゼロではありません。ただし、これを裏付ける科学的証拠はまだ弱いので、「おまけ程度」に考えるのが良いでしょう。

 

大切なのは、バランスの取れた生活。バスケの練習後にしっかり休息を取り、友達と笑い合う時間を持つ。そんな日常が、身長だけでなく、心の成長にもつながるはずです。

 

バスケ以外のスポーツでも背は伸びる?

 

バスケが身長に特別な効果を持つ証拠が少ないなら、他のスポーツはどうなのでしょうか? バレーボールや水泳、サッカーなど、さまざまなスポーツが成長期の子どもに推奨されますが、どれも同じように骨や体に良い影響を与えるのでしょうか? バスケ愛好家としては、「やっぱりバスケが一番!」と言いたいところですが、公平に比較してみましょう。

 

運動は、どんな形でも子どもの成長を支える素晴らしいツールです。でも、バスケと他のスポーツの違いや共通点を理解することで、子どもにぴったりのスポーツを選ぶヒントが見つかるかもしれません。

バレーボールや走高跳との共通点

バスケと同じように、「背が伸びる」と言われるスポーツの代表がバレーボールや陸上の走高跳です。これらのスポーツも、ジャンプを繰り返す動作が特徴。バレーのスパイクやブロック、走高跳の踏み切りは、骨に縦の刺激を与え、骨端線の成長を促す可能性があるとされています。

 

実際、バレーボール選手の平均身長も高く、国際大会では190cmを超える選手が活躍しています。これはバスケと同じく、背が高い選手が競技で有利だからという選抜バイアスが働いている側面もあります。バスケとバレーの共通点は、ジャンプの頻度と全身運動のバランス。どちらも心肺機能を高め、筋力や協調性を育てます。

 

ただし、科学的に見ると、バスケもバレーも、ジャンプによる骨への刺激は「適度な運動」の一部にすぎません。どちらか一方が特別に身長を伸ばすという証拠はなく、運動全体としての効果が重要だと考えられています。

全身運動のメリット

ジャンプが少ないスポーツはどうでしょうか? たとえば、水泳やサッカーは、バスケとは異なる動きが中心ですが、成長期の子どもにおすすめのスポーツとしてよく挙げられます。水泳は全身の筋肉を使い、関節に負担をかけずに体を鍛えるため、骨や筋肉のバランスを整える効果があります。サッカーは、走る、蹴る、方向転換する動作で、骨に多方向の刺激を与えます。

 

これらのスポーツも、成長ホルモンの分泌を促し、全身の健康をサポートします。2022年の研究では、週に3~4回の適度な運動(どんなスポーツでも)が、子どもの骨密度を高め、成長を助ける可能性が示唆されています。つまり、バスケでなくても、子どもが楽しみながら体を動かすことが、身長を含む健やかな成長につながるのです。

 

大切なのは、子どもが「楽しい!」と思えるスポーツを選ぶこと。バスケのコートで仲間と笑い合う子も、プールで泳ぐ子も、グラウンドを走り回る子も、みんな輝いています。どのスポーツも、子どもの可能性を引き出す素敵な舞台なのです。

 

バスケをすることで得られる本当の価値

 

身長の話ばかりしてきましたが、ここで視点を変えてみましょう。バスケをすることで得られるものは、身長だけではありません。コートを駆け抜ける爽快感、仲間との絆、努力が報われる瞬間――バスケは、心と体を豊かにしてくれる宝物のようなスポーツです。

 

身長に悩む子どもたちや、それを応援する親御さんに伝えたい。バスケは、背を伸ばすための手段以上の価値を持っています。私の友人の子どもが、バスケを通じて自信を取り戻した話を思い出すたびに、その力を改めて感じます。身長を超えた、バスケの魔法を一緒に見つけてみませんか?

バスケが育む心の成長

バスケは、単なるスポーツではありません。チームメイトとパスをつなぎ、作戦を立て、時には失敗しながら成長していく――そんな経験が、子どもの心を強く、優しく育てます。

 

私の知人の息子、ケンタくん(仮名)は、中学1年生のとき、身長が低くてバスケ部に入るのをためらっていました。「背が低いから活躍できないよ」と落ち込んでいた彼を、コーチが温かく迎え入れてくれたのです。最初はシュートも入らず、試合に出る機会も少なかったけれど、仲間と練習を重ねるうちに、ドリブルの技術がぐんぐん上達。ある試合で、ケンタくんの素早いパスがチームの勝利を呼び、みんなから拍手喝采を浴びました。その日から、彼の笑顔が明らかに変わったと、お母さんが教えてくれました。

 

バスケは、身長に関係なく、努力や協力の喜びを教えてくれます。背が低くても、速さや賢さでチームに貢献できる。仲間と一緒に汗を流すことで、自信や絆が生まれるのです。そんな経験は、子どもの人生を豊かにする財産になるはずです。

健康とフィットネスの向上

 

バスケは、身体的なメリットもたくさんあります。走る、跳ぶ、投げるといった動作は、心肺機能を高め、筋力や協調性を育てます。子どもの肥満予防にも効果的で、2023年の調査では、週に2~3回のバスケが、体脂肪率を下げ、健康的な体型を維持する助けになると報告されています。

 

大人になっても、バスケは生涯スポーツとして楽しめます。社会人リーグや地域のクラブで、汗を流しながらストレスを発散する人も多いですよね。健康な体は、自信や前向きな心を支える基盤。バスケを通じて、子どもたちが「体を動かす楽しさ」を知れば、一生の宝物になるでしょう。

 

まとめ

 

「バスケをすれば身長が伸びる」という噂、気になっていましたよね? 科学的に見ると、バスケが直接身長を伸ばす証拠は限定的です。ジャンプや全身運動が骨に刺激を与える可能性はありますが、身長の鍵は遺伝、栄養、睡眠にあることがわかりました。バスケは、適度な運動として成長をサポートする一つの手段。過度な期待は禁物ですが、「もしかしたら」という希望を持つのは素敵なことだと思います。

 

伸びる可能性はありますし、スポーツ自体が価値があるものになります。

 

でも、バスケの価値は身長だけにとどまりません。仲間との絆、努力の喜び、健康な体――コートで得られる経験は、子どもの心と体を輝かせます。身長に悩む子どもたちに、こう伝えたい。「背が伸びるかどうかはわからないけど、バスケをすれば、きっと自分を好きになれるよ」。バスケを愛するすべての人に、今日もコートで最高の瞬間が訪れますように!

 

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