近年、テレビやSNSで話題の「サウナ」。大人の趣味というイメージが強かった以前とは違い、最近では「整う(ととのう)」という言葉とともに、高校生や中学生の間でもサウナに興味を持つ人が増えています。友達同士で温泉施設に行ったり、部活帰りに銭湯に寄ったりする機会もあるのではないでしょうか。
「サウナに入るとすごく気持ちいいらしい」「リラックスできる」といったポジティブな声を聞く一方で、成長期であるみなさんの中には「高校生がサウナに入っても大丈夫なの?」「成長ホルモンが出るって本当?身長に関係あるの?」といった疑問や不安を持っている人もいるはずです。
実は、正しい方法でサウナを利用すれば、心身のリフレッシュだけでなく、成長ホルモンの分泌を促したり、睡眠の質を高めたりといった、成長期の体にとって嬉しいメリットがたくさんあります。しかし、間違った入り方をすると逆効果になってしまうリスクも潜んでいます。
この記事では、高校生・中学生のみなさんが安全にサウナを楽しむために知っておきたい「整う」仕組みや、気になる「成長ホルモン」との関係、そして身長や体作りへの影響について、わかりやすく徹底解説します。正しい知識を身につけて、最高の「整い」体験を手に入れましょう。
サウナで高校生も「整う」体験!成長ホルモンとの深い関係とは

まずは、なぜ今これほどまでにサウナが注目されているのか、そして高校生がサウナを利用することにどのような意味があるのかを見ていきましょう。「整う」という言葉の裏にある科学的なメカニズムや、成長期の体との関係性を知ることで、サウナの奥深さがわかるはずです。
サウナブームと高校生の利用実態
かつては「おじさんの我慢大会」のようなイメージさえあったサウナですが、近年は有名人がサウナ好きを公言したり、おしゃれなスパ施設が増えたりしたことで、若者を中心に空前のブームが巻き起こっています。高校生にとっても、テスト勉強の疲れを癒したり、部活動のハードな練習後のリカバリーとして利用したりと、サウナは身近なリラクゼーションスポットになりつつあります。
特にSNSでは、サウナ後の「サ飯(サウナ飯)」や、おしゃれなサウナハットの写真を投稿することも流行しており、コミュニケーションの一環として友達と銭湯に行くケースも増えています。しかし、大人の体を前提とした施設も多いため、まだ体が完成していない中高生が利用する際には、大人とは違った配慮が必要になることも事実です。
そもそも「整う(ととのう)」ってどんな状態?
よく耳にする「整う」という言葉ですが、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。簡単に言えば、サウナ(熱気)、水風呂(冷気)、外気浴(休憩)を繰り返すことで訪れる、「極度のリラックス状態」と「意識の覚醒」が同時にやってくるような感覚のことを指します。体はふわふわと軽く感じるのに、頭はスッキリと冴え渡る、不思議な心地よさです。
この状態のとき、体内では血管が収縮と拡張を繰り返し、血流が劇的に良くなっています。単に「気持ちいい」だけでなく、医学的にも自律神経のバランスが整い、心身の調子が上向くタイミングだと言われています。勉強や部活、人間関係などでストレスを感じやすい高校生にとって、この「整う」体験は最高のリフレッシュ方法の一つと言えるでしょう。
成長期におけるサウナのメリット
高校生や中学生といった成長期において、サウナにはどのようなメリットがあるのでしょうか。最大のメリットは、血行促進による疲労回復効果です。部活動で溜まった乳酸などの疲労物質が、血流とともに排出されやすくなり、翌日の筋肉痛を和らげたり、体の軽さを取り戻したりする手助けをしてくれます。
また、後ほど詳しく解説しますが、サウナによる温熱刺激は「成長ホルモン」の分泌にも関わっています。さらに、自律神経が整うことで睡眠の質が向上し、結果として体作りや身長の伸びに必要な「休息」を深く取ることができるようになります。正しい知識を持って利用すれば、サウナは成長期のポテンシャルを引き出す強力なツールになり得るのです。
「整う」メカニズムと心身への効果

「なんとなく気持ちいいから」という理由だけでサウナに入るのはもったいないことです。なぜサウナに入ると「整う」のか、その体内メカニズムを理解することで、より効果的にサウナを活用できるようになります。ここでは、自律神経や脳内物質の働きに注目して解説します。
自律神経のスイッチ!交感神経と副交感神経のリレー
私たちの体は、活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」という2つの自律神経によってコントロールされています。通常、この2つはゆっくりと切り替わりますが、サウナではこの切り替えを強制的に行います。熱いサウナ室にいるとき、体は「緊急事態だ!」と感じて交感神経が優位になり、心拍数が上がり血管は広がります。
次に水風呂に入ると、体は冷たさに反応してさらに交感神経が刺激され、血管がキュッと収縮します。そして、その後の外気浴(休憩)で一気に緊張から解放されると、今度は副交感神経が急激に優位になり、血管が開いて血流が全身を巡ります。この「緊張」から「緩和」への急激な落差こそが、日常では味わえない深いリラックス感、「整う」状態を生み出す正体なのです。
脳内麻薬?β-エンドルフィンとセロトニンの働き
サウナで「整っている」とき、脳内ではいくつかの特別なホルモン(脳内伝達物質)が分泌されています。その代表格が「β-エンドルフィン」です。これは長距離走のランナーズハイの時にも出る物質で、モルヒネのような鎮痛作用や多幸感をもたらすと言われています。熱さや冷たさという肉体的なストレスを乗り越えたご褒美として脳から分泌され、悩み事を忘れるような心地よさを感じさせます。
さらに、精神を安定させる「セロトニン」や、ストレスを緩和する「オキシトシン」といった物質も活性化すると言われています。高校生活は試験や進路などプレッシャーが多い時期ですが、サウナによってこれらの「幸せホルモン」が分泌されることで、不安が和らぎ、ポジティブな気持ちになれるメンタルケア効果も期待できるのです。
血管のポンプ作用で疲労物質を排出
「サウナ→水風呂→外気浴」のサイクルは、血管にとっての筋力トレーニングのようなものです。サウナで広がり、水風呂で縮み、外気浴でまた広がる。この血管の収縮・拡張運動はポンプのような役割を果たし、普段の生活では届きにくい手足の先や筋肉の奥深くまで血液を送り込みます。
新鮮な酸素や栄養を含んだ血液が全身を巡ることで、筋肉に溜まった老廃物や疲労物質がスムーズに洗い流されます。毎日ハードな練習をしている運動部の学生にとっては、マッサージを受けるのと同じくらい、あるいはそれ以上に効率的なリカバリー手段となる可能性があります。肩こりや腰痛に悩む高校生にもおすすめです。
サウナと成長ホルモンの分泌について

さて、ここからが今回のキーワードである「成長ホルモン」についての詳しい解説です。「サウナに入ると成長ホルモンが出る」という噂は本当なのでしょうか?身長を伸ばしたい、体を大きくしたいと願う高校生にとって、非常に気になるこのテーマを深掘りします。
深部体温の上昇が成長ホルモンのスイッチを押す
結論から言うと、サウナに入ることによって一時的に成長ホルモンの分泌が増加することは、多くの研究で示唆されています。通常、サウナ室の高温環境に身を置くと、体の深部体温(内臓などの体温)が上昇します。この熱刺激に対する防御反応や適応反応として、脳下垂体から成長ホルモン(HGH)が分泌されるメカニズムがあるのです。
ある研究では、サウナ利用後に血中の成長ホルモン濃度が通常時の数倍に上昇したというデータもあります。ただし、これはあくまで「一時的な反応(スパイク)」であり、サウナに入っている間ずっと出続けているわけではありません。それでも、成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促し、脂肪の燃焼を助ける重要なホルモンですから、その分泌を刺激することは体作りにおいてプラスに働く可能性が高いと言えます。
「サウナで熟睡」が成長ホルモンをさらに加速させる
サウナそのものの熱刺激による分泌も重要ですが、実はそれ以上に注目すべきなのが「睡眠への影響」です。成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、夜寝ている間の「深い睡眠(ノンレム睡眠)」の時間帯です。「寝る子は育つ」という言葉通り、質の高い睡眠こそが成長の鍵を握っています。
サウナに入ってしっかりと体を温め、自律神経を整えると、その後の睡眠の質が劇的に向上することがわかっています。フィンランドの研究などでも、サウナ利用者は深い睡眠の時間が長くなる傾向があると報告されています。サウナで直接的に刺激し、さらに良質な睡眠で大量分泌を促す。この「ダブル効果」こそが、サウナが成長期の高校生におすすめできる最大の理由なのです。
運動部必見!筋トレ・部活後のサウナとリカバリー効果
運動部に所属している人なら、筋力トレーニングや激しい練習を行うことも多いでしょう。実は、筋トレ自体も成長ホルモンの分泌を促す行為ですが、トレーニング後のサウナはさらにその効果を高める可能性があります。運動で筋肉を使った後にサウナに入ることで、血流が良くなり、筋肉の修復に必要な栄養素(タンパク質など)がスムーズに運ばれるからです。
また、成長ホルモンには「インスリン様成長因子(IGF-1)」という物質の分泌を促す作用もあり、これが筋肉の合成を強力にサポートします。プロのアスリートが練習後に温冷交代浴を取り入れるのは、単なる疲労回復だけでなく、こうしたホルモン環境を整えて効率よく体を大きくするためでもあるのです。
ただし「サウナだけで身長が伸びる」わけではない理由
ここで一つ、誤解のないように注意しておきたい点があります。それは「サウナに入りさえすれば、魔法のように身長が伸びるわけではない」ということです。成長ホルモンは身長を伸ばすための重要な要素ですが、それだけで骨が伸びるわけではありません。骨が伸びるためには、骨端線(こったんせん)という軟骨組織が残っていることが前提ですし、ホルモンの材料となる「栄養」が体になければ意味がないのです。
サウナはあくまで「成長ホルモンが出やすい環境を作る」「体が成長するためのコンディションを整える」ための手段の一つです。サウナの効果を最大限に引き出すためには、食事やサプリメントによる十分な栄養摂取が不可欠です。「サウナに入ったから大丈夫」と安心せず、土台となる生活習慣を大切にしましょう。
高校生・中学生がサウナに入る際の注意点とリスク

サウナには多くのメリットがある一方で、成長期の体にとっては無視できないリスクもあります。大人の真似をして無理をすると、健康を損なうだけでなく、重大な事故につながる危険性もあります。ここでは、高校生・中学生が絶対に守るべき注意点を解説します。
大人と違う?成長期の体が熱に弱い理由
高校生や中学生は、外見は大人に近づいていても、体の内部機能はまだ発達途中です。特に体温調節機能に関しては、大人ほどスムーズに対応できない場合があります。そのため、高温のサウナ室に長時間こもると、体温が上がりすぎてしまい、熱中症に近い状態になりやすいのです。
また、生殖機能への影響を懸念する声もあります。精巣(睾丸)は熱に弱く、長時間の高温環境は精子の形成機能に一時的な悪影響を与える可能性があるという医学的な報告もあります。もちろん、適度な利用であれば問題ないケースがほとんどですが、将来のためにも「過度な我慢」や「頻繁すぎる長時間の利用」は避けるべきだということを覚えておいてください。
脱水症状は最大の敵!こまめな水分補給を
サウナでは大量の汗をかきます。一度のサウナ浴で300ml〜500ml、多いときには1リットル近くの水分が失われることもあります。高校生は代謝が活発で、もともとの体内の水分保有量も多いため、脱水によるダメージを急激に受けやすい傾向にあります。
脱水状態になると、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなったり、頭痛や吐き気を催したりします。「喉が乾いた」と感じた時には、すでに体は脱水状態です。サウナに入る前、セットの合間、そして上がった後には、必ず水やスポーツドリンクを飲むようにしてください。「水太りするから飲みたくない」などと思わず、命を守るために水分補給を徹底しましょう。
やけどや立ちくらみ(ヒートショック)を防ぐには
サウナから水風呂へ移動する際や、お風呂から上がるときに、クラクラとめまいがした経験はありませんか?これは「起立性低血圧」や「ヒートショック」と呼ばれる現象の一種です。熱で広がった血管が急激に動くことで、脳への血流が一時的に不足して起こります。
最悪の場合、意識を失って転倒し、大怪我をする可能性もあります。これを防ぐためには、サウナ室から出る時はゆっくりと立ち上がる、水風呂に入る前には必ず掛け湯(またはシャワー)をして、心臓から遠い手足から順番に水をかけて体を慣らす、といった手順を守ることが大切です。急激な温度変化は体への負担が大きいことを理解し、丁寧な動作を心がけてください。
友達との「我慢比べ」は絶対NG!自分のペースを守ろう
友達と一緒にサウナに行くと、ついつい「あいつが出るまで俺も出ないぞ」と対抗意識を燃やしてしまうことがあります。しかし、サウナでの我慢比べは最も危険な行為です。熱への耐性は人によって全く異なりますし、その日の体調によっても限界ラインは変わります。
無理をして限界まで我慢しても、成長ホルモンが多く出るわけでも、より「整う」わけでもありません。むしろ体調不良の原因になるだけです。「心拍数が上がってきたな」「もう十分温まったな」と感じたら、周りを気にせず自分のタイミングでサウナ室を出る勇気を持ってください。それが「サウナ上級者」の振る舞いです。
安全なサウナ利用のチェックリスト
□ 体調が悪い時や睡眠不足の時は利用を控える
□ 食後すぐや空腹時のサウナは避ける
□ 入る前にコップ1〜2杯の水を飲む
□ サウナ室の時間は6分〜10分程度を目安にする
□ 水風呂に入る前に必ず汗を流す
効果的な「整い」方と成長を促すルーティン

注意点を理解したところで、いよいよ実践編です。成長期の体に負担をかけすぎず、かつ最大限に効果を引き出すための「整いルーティン」を紹介します。これから紹介する手順を基本にして、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。
サウナ室・水風呂・外気浴の黄金比率はこれだ
基本的な1セットの流れは「サウナ→水風呂→外気浴」です。高校生におすすめの時間配分(目安)は以下の通りです。
| ステップ | 時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. サウナ | 5分〜8分 | 無理せず、汗ばんできたら出る準備を。下段の方が温度が低く負担が少ない。 |
| 2. 水風呂 | 30秒〜1分 | 冷たすぎる場合は無理に入らず、冷水シャワーでもOK。 |
| 3. 外気浴 | 5分〜10分 | 一番重要な時間。体の水分を拭き取り、椅子に座ってリラックス。 |
このセットを2〜3回繰り返すのが一般的です。重要なのは、サウナに入っている時間よりも、外気浴で休んでいる時間です。この休憩中に体は「整い」状態に入り、自律神経がバランスを取り戻します。サウナ室に長くいることよりも、休憩をしっかりとることを意識してください。
入る前の準備と上がった後のケアが超重要
サウナ室に入る前には、必ず髪と体を洗って清潔にしましょう。これはマナーであると同時に、皮膚の汚れを落として汗をかきやすくする効果もあります。また、お湯に少し浸かって体を温めてからサウナに入ると(下茹でといいます)、短時間でも芯まで温まりやすくなり、体への負担を減らすことができます。
そしてサウナから上がった後は、保湿ケアを忘れずに。サウナ後は肌のバリア機能が一時的に低下し、乾燥しやすい状態になっています。化粧水や乳液で肌を保護しましょう。肌荒れやニキビに悩む高校生にとって、このアフターケアは美肌を保つために欠かせません。
栄養補給のゴールデンタイムを逃さない
サウナでしっかり汗をかき、代謝が上がった後の体は、スポンジのように栄養を吸収しやすい状態になっています。このタイミングこそが、成長に必要な栄養素を補給する「ゴールデンタイム」です。ここで何を体に入れるかで、サウナの効果が大きく変わってきます。
まずは水分とミネラルを補給し、その後にタンパク質やカルシウム、ビタミンなどを摂取しましょう。身長を伸ばしたいと考えている人は、このタイミングで食事をしっかり摂るか、あるいは自分に必要な栄養素が凝縮されたものを摂取するのが効率的です。成長ホルモンの分泌が高まっている時に材料(栄養)を届けることで、骨や筋肉の成長を強力にバックアップできます。
頻度はどれくらい?週に数回で十分な理由
「毎日サウナに入れば、もっと背が伸びるかも?」と思うかもしれませんが、毎日の利用は体への負担が大きく、逆効果になることもあります。また、体が熱刺激に慣れてしまい、「整い」にくくなることもあります。
高校生であれば、週に1〜2回、多くても3回程度で十分な効果が期待できます。週末のご褒美や、部活が休みの前の日など、リラックスできるタイミングで利用するのがベストです。義務感で入るのではなく、「気持ちいいから入る」というスタンスを大切にしてください。継続することで、睡眠のリズムが整い、長期的に見て成長しやすい体質へと変化していくはずです。
まとめ:サウナで成長ホルモンを味方につけて整おう
今回は、高校生・中学生に向けたサウナの正しい入り方や、成長ホルモンとの関係について解説してきました。サウナは単なる大人の娯楽ではなく、成長期の体にとっても多くのメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。
記事のポイントを振り返ります。
・サウナで「整う」とは、自律神経が整い、心身が深くリラックスした状態のこと。
・サウナによる温熱刺激と、その後の深い睡眠によって「成長ホルモン」の分泌が促される。
・成長期のサウナは、脱水やのぼせに注意し、決して無理をしないことが大切。
・「サウナ→水風呂→外気浴」のセットを守り、特に外気浴でしっかり休憩する。
・サウナ後は栄養吸収のゴールデンタイム!成長に必要な栄養をしっかり摂ろう。
サウナは、勉強や部活に忙しいみなさんの心と体を癒やし、成長をサポートしてくれる頼もしい味方です。しかし、サウナに入っただけで満足してはいけません。サウナで引き出した成長ホルモンのパワーを形にするには、その材料となる「栄養」が不可欠です。
身長を伸ばしたい、もっと強い体を作りたいと本気で願うなら、サウナ習慣と合わせて、日々の栄養摂取を見直してみることが近道です。特に、普段の食事だけでは不足しがちな栄養素を効率よく補う工夫をすることで、サウナの効果をさらに高めることができるでしょう。
ぜひ、正しい知識を持ってサウナを楽しみ、理想の自分へと成長していってくださいね!


