「オリンピック選手はやっぱり背が高いの?」
テレビで世界最高峰の戦いを見ていると、そんな疑問を抱くことはありませんか?
バスケットボールやバレーボールの選手が驚くほど大きい一方で、体操やマラソンの選手は小柄に見えることもあります。
実は、競技によって求められる「理想の体格」は全く異なるのです。
この記事では、オリンピック選手の平均身長を競技別に比較し、なぜその体格が有利なのかを分かりやすく解説します。
スポーツを頑張る中高生や、その保護者の方にとっても興味深い「身長とパフォーマンス」の秘密に迫ります。
オリンピック選手の平均身長を競技別に見てみよう

オリンピックには様々な競技がありますが、選手の平均身長は競技ごとに大きな差があります。まずは、代表的なスポーツの平均身長データを比較してみましょう。
最も身長が高い「バレーボール」と「バスケットボール」
オリンピック競技の中で、最も平均身長が高いのがバレーボールとバスケットボールです。
男子バレーボールの世界トップチームの平均身長は、約198cm〜200cmにも達します。ネットの高さ(男子243cm)の上から攻撃するために、高さは絶対的な武器となります。
バスケットボールも同様で、各国の代表チームには200cmを超える選手が当たり前のように存在します。
特にゴール下のポジションを担う選手は、身長だけでなくリーチの長さも重要視されるため、全体的な平均値を大きく押し上げています。
小柄さが武器になる「体操」や「ウエイトリフティング」
一方で、身長が低いことが有利に働く競技も存在します。その代表格が体操競技です。
男子体操選手の平均身長は約160cm〜165cm、女子選手では145cm〜155cm程度と言われています。
また、ウエイトリフティングの軽量級や飛び込み競技なども、小柄な選手が多く活躍しています。
これらの競技では、身体を小さく丸めて回転したり、素早い動きでバランスを取ったりする必要があるため、重心が低くコンパクトな体格の方がパフォーマンスを発揮しやすいのです。
ポジションや種目で大きく異なる「陸上競技」
陸上競技は、種目によって体格の傾向が全く異なります。
例えば「投てき種目(砲丸投げや円盤投げ)」の選手は、パワーを生み出すために高身長かつ重量級の体格が目立ちます。
短距離走(100mなど)の選手も、近年はストライド(歩幅)を広げるために大型化が進んでおり、ウサイン・ボルト選手(196cm)のような長身スプリンターが活躍しています。
対照的に、マラソンなどの長距離走では、体重が軽い方がエネルギー効率が良く、身体の熱を逃がしやすいため、小柄でスリムな選手が上位を占める傾向にあります。
水泳や柔道に見られる体格の特徴
競泳選手も全体的に高身長ですが、単に背が高いだけでなく「手足が長い」「トルソー(胴体)が長い」といった特徴があります。
水の抵抗を減らしつつ、長いリーチで水をかくことができるためです。
柔道などの格闘技は体重別の階級制であるため、同じ階級内での身長差はそれほど大きくありません。
しかし、同じ体重であれば「身長が高くリーチが長い選手」と「重心が低く足腰が安定している選手」が対戦することになり、それぞれの体型に合った戦い方が展開されます。
なぜ競技によって平均身長に大きな差が生まれるのか

「背が高い=スポーツに有利」と一概に言えないのはなぜでしょうか。ここでは、物理的な法則や競技の特性からその理由を紐解いていきます。
「高さ」と「リーチ」が勝敗を分けるメカニズム
バレーボール、バスケットボール、ハンドボールなどの球技では、ボールを扱う位置が高いほど相手にプレッシャーを与えられます。
高い打点からのスパイクやシュートは、守る側にとって防ぐのが非常に困難です。
また、テニスやバドミントンでも、身長が高く腕が長い選手は守備範囲が広くなり、角度のある強力なサーブやスマッシュを打つことができます。
このように、物理的な「到達点」を競う要素が強いスポーツでは、身長が高いことが直接的なアドバンテージになります。
回転速度と安定性を高める「慣性モーメント」
体操やフィギュアスケートのジャンプ動作では、身体を回転させるスピードが重要です。
物理学には「慣性モーメント」という言葉があり、回転軸から外側への広がりが小さいほど(つまり身体が小さくコンパクトなほど)、くるくると速く回ることができます。
背が高い選手は手足が長いため、回転を速めるのに大きな力が必要となり、着地の際の衝撃も大きくなります。
そのため、空中で複雑な技を繰り出す採点競技では、小柄な体格の方が技術習得において有利になるケースが多いのです。
空気抵抗や持久力に関わる身体の表面積
長距離走やロードバイク(自転車競技)のクライマーにとって、身体の大きさは「重り」や「空気抵抗の壁」になります。
身体が大きければ、その分だけ動かすためのエネルギーが必要ですし、風を受ける面積も増えます。
特にマラソンでは、走っている最中に体温が上がりますが、小柄な選手は体重あたりの体表面積が大きいため、熱を効率よく逃がすことができます。
「疲れにくく、熱がこもりにくい」という点は、持久系スポーツにおいて非常に大きな武器となります。
日本人オリンピック選手の平均身長と世界の差

日本人は欧米の選手に比べて小柄なイメージがありますが、近年のオリンピックではどのような傾向にあるのでしょうか。世界との比較を見てみましょう。
球技における世界との身長差の現状
バレーボールやバスケットボールにおいて、日本代表チームの平均身長は世界トップクラスのチームと比較すると、依然として5cm〜10cm程度の差があります。
例えば、海外の強豪国では210cm級の選手がいる中で、日本チームは190cm台後半や200cm前後の選手で対抗しなければなりません。
しかし、近年では日本人の平均身長も徐々に伸びており、世界で戦える大型選手も増えてきています。
この身長差を埋めるために、日本は独自の戦術やスピードを磨いてきました。
体格差を埋めるための日本の「技術と戦略」
身長差がある場合、まともに力勝負を挑むのは得策ではありません。
日本選手団が得意とするのは、俊敏性(アジリティ)や精度の高い技術、そして組織的な連携です。
バレーボールでは、サーブで相手を崩したり、守備の連携を極めてボールを落とさない「粘りのバレー」を展開したりします。
バスケットボールでも、3ポイントシュートの成功率を高めたり、素早いパス回しで相手のディフェンスを翻弄したりすることで、高さのハンデをカバーし、世界を驚かせる結果を残しています。
日本人がメダルを獲得しやすい競技の傾向
日本がオリンピックで多くのメダルを獲得している柔道、レスリング、体操といった競技は、階級制であったり、小柄さがメリットになったりするスポーツです。
これらは日本人の体格的な特徴と競技の相性が良いと言えます。
また、卓球やバドミントンなど、瞬発力やラケットワークの繊細さが求められる競技でも、日本選手は世界トップレベルで活躍しています。
「自分たちの身体的特徴に合った戦い方」を突き詰めることができるのが、日本スポーツ界の強みの一つです。
【男女別】身長がパフォーマンスに影響しやすい競技

性別によっても、身長がパフォーマンスに与える影響の度合いは異なります。ここでは男女別の特徴や、近年のトレンドについて解説します。
男子種目で特に高身長が求められるスポーツ
男子競技の中で、特に「高さ」が必須条件となりつつあるのが、バレーボールのミドルブロッカーや、サッカーのゴールキーパー(GK)です。
かつては180cm台のGKもいましたが、現代サッカーでは190cm以上が当たり前、欧州では195cm以上が標準になりつつあります。
ゴール枠の広さは変わりませんが、シュートの速度やボールの性能が上がっているため、わずかなリーチの差が失点を防げるかどうかの境目になるのです。
競泳の短距離種目でも、スタートやターン後の推進力で差をつけるため、190cm級の大型選手が上位を独占する傾向にあります。
女子種目で身長が武器になる場面とは
女子競技でもバレーボールやバスケットボールで高身長が有利なのは同様ですが、テニスやフェンシングなども身長(リーチ)が大きな武器になります。
特に近年の女子テニス界では、180cmを超える選手による高速サーブが主流になりつつあり、パワーテニス化が進んでいます。
一方で、新体操やアーティスティックスイミングでは、手足の長さが見栄え(芸術点)に影響するため、身長が高い選手やプロポーションの良い選手が好まれる傾向があります。
ただし、これらは技術や表現力でカバーできる部分も大きく、必ずしも身長だけで決まるわけではありません。
男女ともに体格の多様性が見られる競技
サッカーのフィールドプレーヤー、野球、ハンドボールのウイングなどは、ポジションによって求められる役割が違うため、様々な身長の選手が混在しています。
例えばサッカーでは、長身のディフェンダーと小柄なドリブラーが同じピッチで共存しています。
ラグビーも同様で、スクラムを組む選手は大柄で重く、パスを回して走る選手は比較的小柄で俊敏であることが多いです。
「適材適所」がはっきりしているこれらの競技では、自分の体格に合ったポジションを見つけることで、誰にでも活躍のチャンスがあります。
近年のオリンピックにおける身長の大型化トレンド
全体的な傾向として、スポーツ選手の「大型化」は進んでいます。
栄養状態の改善やトレーニング科学の進化により、以前よりも大きく、かつ動ける選手が増えているからです。
「大きい選手は動きが遅い」という定説は過去のものになりつつあり、現代では「大きくて速い」選手がスタンダードになりつつあります。
そのため、育成年代(中学生・高校生)から、身体を大きくするための取り組みが、競技レベルを問わず重要視されるようになってきました。
成長期のスポーツ選手が身長と向き合うために大切なこと

ここまで見てきたように、スポーツにおいて身長は大きな武器になります。では、成長期にある中高生のアスリートは、どのように身体づくりと向き合えばよいのでしょうか。
遺伝だけではない?環境と身体づくりの重要性
「身長は遺伝で決まるからどうしようもない」と諦めていませんか?
確かに遺伝の影響は大きいですが、それだけで最終的な身長が決まるわけではありません。
後天的な要素、つまり「食事・睡眠・運動」の質が、その人が本来持っている成長の可能性を最大限に引き出せるかどうかを左右します。
特に成長スパートと呼ばれる時期(中学生〜高校生頃)に、身体の材料となる栄養が不足していると、伸びるはずだった身長が伸びきらない可能性があります。
適切なトレーニングとオーバーワークの防止
適度な運動は、成長ホルモンの分泌を促し、骨に適度な刺激を与えるため、身長を伸ばすのにプラスに働きます。
しかし、過度なトレーニング(オーバーワーク)は逆効果になることもあります。
エネルギーを使いすぎて栄養不足になったり、関節に過剰な負担がかかったりすると、成長の妨げになりかねません。
部活動などで激しい練習をしている場合は、消費したエネルギーをしっかり補給し、身体を修復するための休息日を設けることが、結果として競技力向上と身体的成長の両方につながります。
栄養バランスと睡眠が成長に与える影響
身体を大きくするために最も重要なのが「栄養」と「睡眠」です。
骨を作るカルシウムだけでなく、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが不可欠です。
しかし、毎日の食事だけでアスリートに必要な栄養素をすべて完璧に補うのは、忙しい学生や保護者にとって簡単なことではありません。
また、成長ホルモンは寝ている間に分泌されるため、質の高い睡眠を確保することも練習と同じくらい大切です。
日々の食事を基本としつつ、不足しがちな栄養素を効率よく補う工夫を取り入れる家庭も増えています。
成長期のポイント
運動・栄養・睡眠のサイクルを整えることが、将来のパフォーマンスと身長の両方を支えます。
まとめ:オリンピック選手の平均身長から学ぶ競技特性と可能性
オリンピック選手の平均身長を競技別に比較すると、スポーツごとの特性が浮き彫りになりました。
バレーボールやバスケットボールのように高さが絶対的な有利に働く競技もあれば、体操のように小柄さが武器になる競技もあります。
また、日本選手は世界と比較して小柄な傾向にありますが、それを補う技術や敏捷性で世界と互角に渡り合っています。
記事の要点振り返り
- 高身長有利な競技:バレーボール、バスケットボール、競泳、サッカーGKなど
- 小柄有利な競技:体操、ウエイトリフティング、マラソンなど
- 世界との差:日本は小柄だが、技術や戦術でカバーしている
- 成長期の身体づくり:遺伝だけでなく、栄養・睡眠・適切な運動が重要
競技において身長は重要な要素の一つですが、それが全てではありません。
しかし、成長期のアスリートにとって、少しでも身体を大きくしたいと願うのは自然なことですし、それが将来の可能性を広げることにもつながります。
日々のトレーニングに加え、食事や栄養管理を見直すことが、理想の選手への第一歩となるでしょう。
もし、「今の食事だけで十分な栄養が摂れているか不安」「もっと効率よく身体づくりをサポートしたい」と感じているなら、中高生向けに特化したサポートアイテムをチェックしてみるのも一つの方法です。




