「身長が高い選手のような、角度のあるサーブを打ちたい」
「背が低いから、どうしてもサーブがネットにかかってしまう」
テニスにおいて、サーブは唯一自分から始められるショットであり、ゲームの主導権を握るための重要な鍵です。しかし、多くのプレーヤーが「身長差」という壁に悩み、打点の低さをコンプレックスに感じています。身長が高ければ高い打点から打ち下ろすことができ、物理的に有利であることは間違いありません。ですが、本当にそれだけで勝負は決まってしまうのでしょうか?
実は、身体の使い方や打点の捉え方を工夫することで、身長差による不利をカバーし、相手を圧倒するサーブを打つことは十分に可能です。また、成長期の選手であれば、今の身長を少しでも伸ばすための生活習慣を見直すことも、将来的なサーブ力アップにつながる大切な「技術」の一部と言えるでしょう。
この記事では、身長差がサーブに与える影響を正しく理解し、自分にとって最高の打点を見つける方法や、背が低くても勝てる具体的な戦術について詳しく解説していきます。さらに、ジュニア選手やその保護者の方に向けて、パフォーマンスを最大化するための身体づくりのポイントにも触れていきます。身長を言い訳にせず、自分の可能性を広げるためのヒントを見つけていきましょう。
テニスのサーブで身長差が打点に与える決定的な影響

テニスの試合を見ていると、長身の選手が放つ高速サーブに圧倒されることがあります。なぜこれほどまでに、サーブにおいて「身長」が重要視されるのでしょうか。まずは、身長差がもたらす物理的な影響と、それが打点やプレーにどう関係しているのかを深く掘り下げてみましょう。
なぜ「背が高い選手はサーブが強い」と言われるのか
身長が高い選手がサーブで有利とされる最大の理由は、物理的な「角度」にあります。テニスコートにはネットという障害物があり、サーブを入れるためには必ずネットの上を通過させ、かつサービスボックスの中にボールを落とさなければなりません。打点が高ければ高いほど、ネットを越えてからサービスボックスに直線的にボールを叩き込むことが容易になります。
身長2メートルの選手と160センチの選手では、腕を伸ばした時の打点の高さに50センチ以上の差が生まれることも珍しくありません。この高さの違いは、ボールを打ち下ろす角度に直結します。高い位置から打てれば、ボールはより鋭角にコートへ突き刺さり、バウンド後の弾みも大きくなります。これが、長身選手のサーブが「強い」と感じられる根本的な理由です。
一方で、身長が低い選手が同じような角度でフラットサーブを打とうとすると、ネットに掛かるリスクが格段に上がります。物理的に「入るコース」が狭くなってしまうのです。この理屈を理解しておかないと、無理に強打しようとしてミスを連発したり、フォームを崩したりする原因になります。まずは身長による物理的な特性を受け入れることが、上達への第一歩となります。
身長差による「ネットクリアランス」と確実性の違い
テニスの専門用語に「ネットクリアランス」という言葉があります。これは、打ったボールがネットの上を通過する際の「余裕の高さ」のことを指します。身長が高い選手が高い打点からサーブを打つ場合、ネットギリギリを狙わなくても、ある程度高い位置を通してサービスボックスに入れることができます。つまり、ネットクリアランスを大きく取っても入る確率が高いのです。
逆に、身長が低い選手や打点が低い選手の場合、サービスボックスに入れるためにはネットすれすれの低い軌道を通さなければならないケースが多くなります。ネットクリアランスが小さくなると、わずかな打点のズレや力の加減のミスが、即座にネットミス(フォールト)につながってしまいます。これが、身長差が「サーブの確率(安定性)」に直結すると言われる所以です。
ネットクリアランスの目安
一般的に、ネットの上50cm〜1mの空間を通してサービスボックスに入れることができれば、確率は安定すると言われています。自分の打点からその軌道を作るためには、どのような回転やスピードが必要かを計算することが大切です。
打点の高さが生む「角度」とサービスエースの関係
サービスエースを取りたいと考えたとき、多くの人がスピードを求めがちですが、実際には「角度」と「コース」の方が重要です。高い打点からサイドライン際やセンターライン上に打ち込まれるサーブは、レシーバーにとって非常に捕りづらいものです。ボールがバウンドしてから自分のところへ届くまでの時間が短くなるうえに、角度がついているため外に逃げていく(あるいは体に食い込んでくる)幅が大きくなるからです。
身長が高い選手は、ワイド(外側)へのサーブを打つ際に、より浅い角度でサイドラインを切るようなコースを狙うことができます。これにより、相手をコートの外へ大きく追い出すことが可能になります。打点が低いと、どうしてもボールの軌道がネットに対して水平に近くなるため、バウンド後の変化が乏しくなり、相手に追いつかれやすくなってしまうのです。
しかし、これはあくまで「フラットサーブ(無回転に近い速いサーブ)」を前提とした話です。身長が低くても、打点の低さを補うための「回転」や「戦術」を駆使すれば、サービスエースを取ることは十分に可能です。不利な条件を理解した上で、それをどう覆すか考えるのがテニスの面白さでもあります。
自分の身長でもっとも高い打点を見つけるためのポイント

身長そのものをすぐに伸ばすことはできなくても、「今の身長で最大限に高い打点」で打つことは誰にでも可能です。実は多くのアマチュアプレーヤーが、身体の使い方やトスの位置が悪いために、本来届くはずの高さよりも低い位置でボールを打ってしまっています。ここでは、理想的な打点を見つけ、それを自分のものにするための具体的なポイントを解説します。
理想の打点は「腕を伸ばしきった最高到達点」ではない?
「できるだけ高い打点で打ちましょう」とアドバイスされると、多くの人は腕を真上にピーンと伸ばし、背伸びをした状態でボールを捉えようとします。確かに高さだけを見ればそれが最高到達点かもしれませんが、その体勢で力強いボールが打てるかというと、答えは「NO」です。力が伝わらない高い打点は、単なる「届いただけ」の状態であり、威力のあるサーブにはなりません。
理想的な打点とは、「腕が伸びていて、かつ力が最も効率よくボールに伝わる位置」のことです。具体的には、真上よりも少し右斜め前(右利きの場合)になります。肩の関節が自然に回り、体全体のパワーをラケットに乗せることができるポイントを探さなければなりません。無理に高くしようとしてバランスを崩してしまっては本末転倒です。
自分の最適な打点を見つけるためには、壁に向かってラケットを持たずに手を伸ばし、手のひらで壁を強く押せる位置を探ってみると良いでしょう。真上すぎると力が入らず、低すぎると窮屈に感じるはずです。一番力が入り、かつ高い位置。そこがあなたにとっての「黄金の打点」となります。
トスの位置を「前」にすることで打点は劇的に高くなる
打点の高さを決める大きな要素の一つが「トス」です。多くの悩みを持つプレーヤーは、トスが頭の上、あるいは頭の少し後ろに上がってしまっています。トスが後ろになると、身体がのけ反った状態で打つことになり、結果として打点が低くなってしまいます。また、スイングの軌道も上向きになりすぎて、アウトする原因にもなります。
打点を高くするためには、トスを「コートの内側(前方向)」に上げることが重要です。ベースラインよりも30cm〜50cmほどコートの中に入った位置にトスを上げ、そこに向かって身体を倒しながら打ちに行くイメージを持ちましょう。こうすることで、身体が前傾し、腕が自然と前に伸びるため、実質的な打点の高さと攻撃力がアップします。
トスを前に上げる練習として、トスを上げた後にそのボールをキャッチせず、地面に落としてバウンド位置を確認する方法があります。ボールがベースラインよりも確実にコート側に落ちているかチェックしてください。身体全体重をボールに乗せていく感覚がつかめれば、身長以上の威力を出すことができるようになります。
インパクトで「肘が下がってしまう」原因と矯正エクササイズ
サーブのフォームを確認したとき、インパクトの瞬間に肘が曲がっていたり、下がっていたりすることはありせんか?これではせっかくの身長やジャンプ力を無駄にしてしまいます。「肘下がり」は、打点を低くするだけでなく、肩や肘への負担を増やし、怪我の原因にもなる危険な癖です。
肘が下がってしまう主な原因は、テイクバック(振りかぶり)の段階でラケットを早く担ぎすぎてしまうことや、ボールを「押し出そう」とする意識が強すぎることです。ラケットヘッドを背中側に落とし、そこから肘を先行させて上に突き上げるような動作(運動連鎖)がスムーズに行われていない可能性があります。
ラケットヘッドを走らせるためのグリップと手首の角度
打点を高く保ち、かつ鋭いサーブを打つためには、グリップの握り方も重要です。いわゆる「コンチネンタルグリップ(包丁握り)」が基本ですが、初心者のうちはどうしても厚い握り(フライパン握り)になりがちです。厚い握りだと、腕を伸ばした状態で面を作るのが難しく、どうしても肘を曲げて打点を低く調整してしまいます。
コンチネンタルグリップで握り、インパクトの瞬間に腕とラケットが一直線になるように意識します。このとき、手首を固定するのではなく、柔軟に使ってラケットヘッドを上方向に走らせる(プロネーション)動きが必要です。これにより、ラケット一本分高い位置でボールを捉える感覚が養われます。
手首の角度を維持したままスイングを開始し、インパクトの直前で解放することで、ムチのようなしなりが生まれます。この「しなり」を利用することで、身長が低くてもラケットの先端スピードを上げ、高い打点での強打が可能になります。グリップと手首の使い方は、打点の高さと直結していることを覚えておきましょう。
身長が低くても勝てる!打点不足を補う回転と戦術

身長による打点の低さは物理的な事実ですが、それを嘆いていても試合には勝てません。テニスは「高さ」だけで競うスポーツではなく、回転、スピード、コース、タイミングの掛け合わせでポイントが決まるからです。ここでは、低身長のプレーヤーが身長差をひっくり返すための、具体的な技術と戦術について解説します。
フラットサーブにこだわらず「縦回転」で軌道を作る
身長が170cm以下の選手が、無理にフラットサーブ(無回転の速いサーブ)でエースを狙おうとすると、確率の壁にぶつかります。ネットを越えるためにはある程度の高さが必要ですが、高い軌道でフラットを打てば、ベースラインを越えてアウトになってしまうからです。そこで必須となるのが「縦回転(トップスピン・キック)」です。
ボールに強い縦回転をかけると、空気抵抗によってボールが急激に下へ落ちる「マグヌス効果」が働きます。これにより、ネットの高いところを安全に通過させつつ、相手コートのサービスボックス内に急降下させて入れることが可能になります。この「スピンサーブ」こそが、身長差を埋める最大の武器です。
スピンサーブは山なりの軌道を描くため、打点が低くてもネットミスのリスクを大幅に減らせます。さらに、バウンド後に高く跳ね上がるため、相手の打点を高くさせ、リターンを打ちにくくさせる効果もあります。身長が低いからこそ、回転を自在に操るテクニシャンを目指すべきです。
相手をコートの外に追い出す「スライスサーブ」の有効性
縦回転のスピンサーブと並んで有効なのが、横回転を加える「スライスサーブ」です。右利きのサーバーであれば、ボールの右側面を擦るように打つことで、左方向に曲がっていく軌道を作ります。このサーブの真骨頂は、バウンド後に低く滑りながら逃げていくことです。
身長が低い選手が打つスライスサーブは、打点が低い分、ネットすれすれを通過して浅い位置に着弾させやすく、角度がつきやすいというメリットがあります。ワイド(外側)へ逃げるスライスサーブを打てば、相手をコートの外へ大きく追い出すことができます。相手が体勢を崩して返球してきたところを、オープンコートへ攻め込むのが黄金パターンです。
特に相手のバックハンド側に逃げるスライスサーブは強烈です。多くの選手はバックハンドの高い打点や遠いボールの処理を苦手としています。スピードが出なくても、しっかりと曲がり、低く滑るスライスサーブがあれば、十分にサービスエースやサービスウィナーを狙うことができます。
「速さ」ではなく「変化」で相手の打点を崩す考え方
「速いサーブ=良いサーブ」という固定観念を捨てましょう。どれだけ速くても、単調なサーブは目が慣れれば簡単に返されてしまいます。逆に、球速はそこまでなくても、回転量や軌道の変化、コースの散らし方が巧みなサーブは、レシーバーにとって非常に厄介です。
身長が低い選手が目指すべきは、「相手に気持ちよく打たせないサーブ」です。例えば、一度高く弾むスピンサーブを見せておいて、次に低く滑るスライスサーブを打つ。あるいは、ボディ(相手の身体の正面)へ食い込むようなサーブを混ぜる。このように、相手の打点を「高い・低い・近い・遠い」と前後左右上下にズラすことができれば、身長差による不利はなくなります。
プロ選手の中にも、小柄ながら世界で活躍している選手はたくさんいます。彼らは一様に、回転のバリエーションとコースの精度が抜群に高いです。自分の打点の低さを逆手に取り、低い弾道からの伸びるボールや、予測できない変化球で相手を翻弄するスタイルを確立しましょう。
物理的な打点をさらに高くするための身体操作テクニック

回転や戦術が重要であることは前述の通りですが、やはり物理的な打点も1センチでも高いに越したことはありません。身長は急には伸びませんが、ジャンプや身体の使い方を工夫することで、実質的な打点を高くすることは可能です。ここでは、アスリートとしての身体能力を使って高さを稼ぐテクニックを紹介します。
膝の曲げ伸ばし(屈伸)を使った地面反力でジャンプする
サーブの動作において、膝の屈伸運動はパワーを生み出す源であり、打点を高くするための推進装置でもあります。トスを上げると同時に膝をしっかりと曲げ、エネルギーを蓄えます。そして、ボールを打つ瞬間に向けて一気に膝を伸ばし、地面を強く蹴ることで上方向へのジャンプ力を得ます。
このとき重要なのは「地面反力」を効率よく使うことです。単に上に飛び跳ねるのではなく、地面を押した力が足から腰、背中、肩、腕へと伝わっていくイメージを持ちましょう。膝を曲げる深さよりも、伸ばす瞬間の鋭さとタイミングが重要です。うまく連動すれば、身長プラス数十センチの高さでインパクトすることができます。
ただし、高く飛びたいからといって、トスがまだ低い段階でジャンプしてしまったり、ジャンプすること自体が目的になってバランスを崩したりしてはいけません。あくまで「スイングの勢いにつられて自然と身体が浮き上がった」という状態が理想的です。
トロフィーポーズでの「タメ」が爆発的な上方向への力を生む
膝の曲げ伸ばしを最大限に活かすためには、サーブの構えである「トロフィーポーズ」でのタメが不可欠です。トスを上げて右肘を引き、左手を高く突き上げた状態で、一瞬身体が静止するような「タメ」の時間を作ります。この時、弓矢を引き絞るように身体の前の筋肉がストレッチされ、パワーが充填されます。
このタメが浅いと、反動を使うことができず、腕だけの力で打つ「手打ち」になってしまいます。手打ちでは打点も低くなり、ボールに体重も乗りません。しっかりと股関節に体重を乗せ、お尻を少し突き出すような姿勢でパワーを溜め込みましょう。
タメから解放されたエネルギーは、身体を上方向へと持ち上げます。プロ選手の連続写真を見ると、インパクトに向かって身体が弓なりにしなり、そこから一気に弾けるように上に伸び上がっているのが分かります。この一連の動作をスムーズに行うことで、最高到達点でのインパクトが可能になります。
空中でバランスを崩さないための体幹トレーニングの重要性
ジャンプして高い打点で打とうとすると、どうしても空中で身体のバランスが崩れやすくなります。空中で軸がブレてしまうと、ラケットの面が安定せず、コントロールがつかなくなります。そこで必要になるのが、身体の軸を支える「体幹(コア)」の強さです。
腹筋や背筋、脇腹の筋肉を鍛えることで、空中で身体が不安定になっても姿勢を保つことができます。特に、空中で身体を捻り戻す動作を行うサーブでは、回転力に負けない強い軸が必要です。体幹が強ければ、ジャンプの着地も安定し、次の動作(ストロークへの構え)へ素早く移ることができます。
自宅でできるプランクや、バランスボールを使ったトレーニングなどを日常的に取り入れることをお勧めします。「高い打点」と「安定したフォーム」は、見えない体幹の筋肉によって支えられているのです。
インパクトの瞬間に身長を「プラス10cm」見せる背伸びの感覚
最後に、感覚的なテクニックを一つ紹介します。それは、インパクトの瞬間に「背伸び」をするイメージを持つことです。ジャンプ動作とは別に、身体の中の意識として、背骨の一つ一つを引き離し、首を長くし、肩甲骨を上へスライドさせるような感覚です。
人間の身体は、意識の持ち方一つで可動域が変わります。「高いところにある物を取ろう」と必死に手を伸ばすとき、無意識に脇腹や肩全体を使っていますよね。サーブの時も同じです。ラケットの先まで神経を通わせ、自分自身が大きな木になったようなつもりで、空へ向かって伸び上がりましょう。
この意識を持つだけで、フォームが縮こまるのを防ぎ、見た目以上に大きくダイナミックなサーブが打てるようになります。物理的な身長は変えられませんが、プレー中の「大きさ」は自分の意識次第で変えることができるのです。
サーブ力向上に直結する成長期のフィジカルケアと生活習慣

ここまで技術的な話をしてきましたが、もしあなたがまだ中学生や高校生の成長期にあるならば、やはり「実際の身長を伸ばす努力」もあきらめるべきではありません。身長が伸びれば、それだけでサーブの打点は高くなり、プレーの幅が広がるからです。ここでは、テニスの上達と同じくらい重要な、成長期の身体づくりと生活習慣についてお話しします。
今の身長を最大限に伸ばすために知っておきたい成長期の仕組み
身長が伸びるというのは、骨の端にある「骨端線(成長線)」という軟骨部分が増殖し、骨になっていく現象のことです。この骨端線は、思春期を終えると閉じてしまい、それ以降は基本的に身長が伸びることはありません。つまり、テニス選手としての将来の器(フィジカル)を大きくできるチャンスは、限られた期間にしかないのです。
この時期に、過度な減量をしたり、偏った栄養摂取を続けたりすると、本来伸びるはずだった身長が止まってしまう可能性があります。逆に、適切な環境を整えてあげることで、遺伝的な予測身長よりも高く成長するケースも十分にあり得ます。「テニスが上手くなりたい」という情熱を、技術練習だけでなく、自分の身体を育てることにも向けてみましょう。
激しい練習の後にこそ必要な「回復」と「睡眠」のゴールデンタイム
「寝る子は育つ」という言葉は、科学的にも真実です。身長を伸ばす「成長ホルモン」は、深い睡眠中に最も多く分泌されます。特にテニスのような激しい運動をした日は、身体の組織がダメージを受けており、その修復のためにも十分な睡眠が不可欠です。
練習で夜遅くに帰宅し、スマホを見て夜更かしをしてしまう…という生活リズムでは、せっかくの成長ホルモンの分泌チャンスを逃してしまいます。また、睡眠不足は集中力の低下を招き、練習の質を下げたり、怪我のリスクを高めたりもします。プロのアスリートほど、睡眠をトレーニングの一部として大切にしています。
質の高い睡眠をとるためには、寝る前の入浴で体温を一度上げ、下がるタイミングで布団に入ることや、寝る1時間前からは強い光(ブルーライト)を避けることなどが効果的です。身長を伸ばし、翌日のパフォーマンスを上げるために、今日から「睡眠改革」を始めてみましょう。
骨と筋肉を強くする食事の栄養バランスとタイミング
身体を作る材料は、すべて食事から摂取する栄養素です。骨を伸ばすためにはカルシウムだけでなく、その吸収を助けるビタミンDや、骨の土台となるタンパク質(コラーゲン)も必要です。また、エネルギー不足の状態が続くと、身体は筋肉や骨を分解してエネルギーに変えようとするため、成長が阻害されてしまいます。
テニスの練習前にはエネルギー源となる炭水化物を摂り、練習直後(30分以内)には筋肉の修復を助けるタンパク質と糖質を補給するのが理想的です。毎日の食事では、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質に加え、野菜や海藻、乳製品をバランスよく食べることが基本です。
栄養補助の考え方
忙しい毎日の中で、食事だけですべての栄養素を完璧に摂るのは難しい場合もあります。特に成長期のアスリートは消費カロリーが多く、必要な栄養量も成人と同等かそれ以上になります。そんな時は、食事をベースにしつつ、足りない分を補う工夫を検討するのも一つの方法です。自分の身体の状態に合わせて、賢く栄養をコントロールしましょう。
将来のビッグサーバーを目指すなら「背を伸ばす努力」も練習のうち
サーブの打点を高くしたい、もっと有利に試合を運びたいと願うなら、ラケットを振る練習と同じくらい、食事や睡眠にも真剣に取り組んでみてください。これらは地味で即効性が見えにくい努力ですが、数ヶ月後、数年後のあなたを確実に変えてくれます。
「身長はどうせ遺伝だから」と諦める前に、生活習慣を見直してみましょう。身長が伸びることは、サーブだけでなく、リーチの広さやパワー、そして選手としての自信にもつながります。成長期という限られた貴重な時間を大切にし、心技体のすべてでレベルアップを目指してください。
まとめ:テニスのサーブは打点と工夫で身長差を克服できる
テニスのサーブにおいて、身長が高いことが有利であることは事実です。しかし、それがすべてではありません。打点を高くする技術、回転を操る技術、そして戦略的な工夫があれば、身長差を跳ね返して勝利をつかむことは十分に可能です。
今回の記事のポイントを振り返りましょう。
- 打点の物理的理解:身長差による角度と確率の違いを知り、無理なフラットサーブより回転系サーブを活用する。
- トスと身体の使い方:トスを前に上げ、運動連鎖を使うことで、今の身長での最高打点を確保する。
- 戦術でのカバー:スピンやスライスを使い分け、相手の打点を崩すことで優位に立つ。
- 成長期の重要性:中高生であれば、睡眠と栄養を見直し、身長を伸ばす努力も「練習の一部」と捉える。
「自分は背が低いから」と限界を決めてしまうのが、一番の敗北です。世界には小柄でもビッグサーバーを倒す選手がたくさんいます。自分の身体の特徴を理解し、それを最大限に活かすプレースタイルを磨いていってください。日々の練習と身体のケアの積み重ねが、必ずあなたのサーブを進化させてくれるはずです。




